フィロス:山梨大学工学部の「何でも質問できる自習室」

数学や物理は工学部の基幹科目だけれど,1箇所わからないと「わからない連鎖」が生じます.フィロスはそのような物理や数学の学習をサポートする「理数系応援プロジェクト」の一部として文部科学省の支援の下にはじまり,10年を超えて続いています.

受験を考えている方,学内でまだ利用したことのない学生さんはどうぞ,以下をご一読ください.工学部の改組により2024年度より1学科制となりますが,基本を大切に,基礎でつまづかないように,体験的知識を共有できるように,学問的興味をもってもらえるようにフィロスでサポートをしていきたいと思います.

多くの新入生は試験やレポートで良い点を得るために,一人で,または,友達とフィロスを訪れます.その希望を叶えるとともに,将来の研究や開発に役立つ体験的知識を得る方法も身につくように指導しています.

フィロスでは,学生たちがよく自分たちで議論しています.それで解決する場合もあるし,「何がわからないかわからない」という状態になることもあります.そのような場合,先生は疑問を言葉にすることを手伝います.疑問点がはっきりすれば,そこを焦点に考えればよいので,ゴールはすぐそこです.

実は,このような試行錯誤,曖昧な疑問をことばにするという手順は,研究や開発の日常です.

「自分は理解が遅いので...」と心配する必要はありません.理解へ達する時間が短い人,長い人がいますが,体験的知識は「深さ」が大切です.時間がかかっても自分のペースを保って考える努力をしましょう.一生揺るがない深い理解に達します.フィロスはそこへ到達する手助けをします.

一度,この勉強の仕方がわかると,他のことにも使え,さらに,将来の研究・開発にも役立ちます.時間がかかっても,その結果は豊かな実りになります.フィロスではひとりひとりのペースを大切に考えています.試験やレポートも大切ですが,長い目で見ることも大切です.

フィロスは自由です.人に迷惑をかけなければ飲食やおしゃべり・議論も自由です.友達と一緒に楽しみながら快適に勉強してください.上の写真のように,自由につかえるホワイトボード,大きな机,座り心地のよい椅子が備えられています.

数学を上手になるためには...

練習を積み,グラフを描き,実験して体験的に学び,「腑に落ちる」理解をめざしましょう.よい成績を取れるだけでなく,印象に残り将来,エンジニアになったときに使える知的資産になります.

逆三角関数とテイラー展開:最初の難所

新入生の微分積分学は高校数学との重なりが多い中,初出のものは逆三角関数,テイラー・マクローリン展開です.エンジニアはよく使います.

相対性理論,量子論,...

みなさんに学問的興味をもってもらうために,相対性理論などの直接成績と関係ない話題で講座をひらくこともあります.学問は,案外人間らしい心から出発していて,開拓者が自分たちと同じ地平にいることを感じると将来の可能性が広がります.

線形代数学の見晴らし

大学ではじめて習う線形代数学はコンピュータの数値計算の定式化で使われる実用性だけでなく,練習を積むと,万物を行列とベクトルで表現する見晴らしのよい高見へ導いてくれます.

数学と物理の交差点

2つの学問の交差点:線形代数学と量子力学の関係を解説してみました.

山梨には武田神社のほかに...

みなさんが学ぶ数学や物理はここ400年程度の人間の営みです.勉強に疲れたら画像をクリックしてみてください.

学部を問わず質問を受け付けています.